家族ごっこ・いたちごっこ
著 | 木村昇 |
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発行 | 2019年8月 |
電子版 | 1078円(本体980円+税)
在庫:○
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この物語は、今の世界や、日本のさまざまな問題に反映されている。離婚と再婚。子連れ同士での再婚。児童虐待。男性被害のドメスティックバイオレンスの増加。時代が著しく変化している昨今、そんな時代の著しい変化に私たちはついていけない──そんなイメージを持たざるを得ないのだ。時代が著しく変化するのであれば、私たちも変化することを求められるからであろう。古いやり方や考え方やルールといった固定概念では通用しにくくなっているから、そんな時代に突入してきたのではないのか?と私はそう感じざるを得ないのだ。だから、私たちはこれまでのやり方や考え方やルールなどの良い部分は残しつつ、新しいやり方や考え方をどんどん取り入れなければ、時代の波には乗れない、そんな印象が強いのだ。時代の変化というのは、人生全てのことに当てはまることだと私は思っている。仕事、生活、指導、勉強、娯楽、など私たちは与えられた責務に対してどう立ち向かっていくのか?変革の時を迎えつつあるのかもしれない。そんな変化する時代についていかなければならない私たちは、常にいたちごっこをしているのかもしれない。
このいたちごっこは、私たちがこの世に存在する限り、常につきまとってくる厄介な存在なのだ。私たちは相手の上に立とうとしてしまう、そんな生き物なのかもしれない。もしかしたら、私たちは弱い立場になってしまうことを恐れてしまっているかもしれないのだ。
しかしながら、いたちごっこもプラスに働けば、言うことなしなのだ。相思相愛や恩返しなどといった、良い関係が築けるからだ。ところが、マイナスに働いてしまえば、仕返しや喧嘩など、といった悪い関係となってしまう。だから、そんないたちごっこもプラスに働くか?マイナスに働くか?は紙一重なのかもしれない。相手が何をどう考え、どう行動するのか?自分が何をどう考えどう行動するのか?自分の思惑とは反対に動いてしまうこともある。だからこそ、人との関わりが深くなればなるほど、いたちごっこが私たちにつきまとってくるのかもしれない。
そんないたちごっこも、バランスが最も重要だと言える。バランスが悪いと、なんだか不自然で、なんで私だけ?といった感覚に陥ってしまい、嫌悪感や喧嘩などの原因になりかねない。
そうしたことを踏まえると、もしかしたら私たちは、いたちごっことバランスで成り立っていると言ってもよいのかもしれない。
そんな私の想いを胸に、本作品を書いた次第であるが、そういった視点で本作品を読んで頂けると、また違った見え方ができて発想の幅が広がるであろう。また、発想の幅が広がれば、少しでも生きやすい人生に変えていけるのではなかろうか?この作品を通じて、そんな人々が増えていく姿を、私は待ち望んでいる。
- 1 家族ごっこ
- 2 あばたもえくぼ
- 3 いたちごっこ
- 4 うるせいヤツら
- 5 幸せのはずだった新居生活
- 6 神のみが知るいたずら
- 7 ゴシップ
- 8 ぬか喜びの退去命令
- 9 私の心の声よ届いてくれ
- 10 謎のメールの正体は一体?
- 11 夫婦喧嘩とは言わせない
- 12 敏夫の決意──実際に行動へ移すとき
- 13 届かなかった敏夫の声
- 14 第二の決戦の舞台へ
- 15 運命は時に皮肉だ
- 16 家族ごっこじゃない家族になれるのなら
- 17 神のみが知るいたずらの真実
- 18 愛情って何だろう?
- 19 悪女と男が見え隠れする玲子
- 20 宏樹よ帰る家はこっちだ
- 21 神のみが知る行きすぎたいたずら
- 22 行政が動き出して急展開に
- 23 こんなはずじゃなかった──敏夫と玲子
- 24 いたちごっこ最終章
- 25 紙一重の家族ごっこにピリオド