『一般理論』と剰余価値理論
いま必要な経済理論・政策はどうあるべきか
この論文は、世界的に大きく力を得ていた新自由主義が猛威を振るい、まさにリーマン・ショックへ突き進もうとしている中、新自由主義への懸念・疑問を持ち書かれた。著者が最も訴えたいことは、資本主義は決して完全な市場を持たず、不完全な市場によって大きく拡大・発展を続けてきたということと、それを受け止めた経済理論・経済政策が世界経済にとってかなり緊急な形で必要なのではないかということである。
著 | 深井了 |
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判型 | B5頁:268 |
ISBN | 978-4-434-20918-5 |
発行 | 2015年9月 |
定価 | 2,530円(本体2,300円+税)
在庫:○
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- 2014年の序
- 序 論
第1章 投資要因
- 1. 古典派経済学の公準
- a. 第一公準
- b. 第二公準
- 2. 有効需要
- a. 賃金と利潤
- b. 消費と投資
- c. 有効需要の原理と剰余価値理論
- 3. 総投資要因K
- a. 投資要因の意味
- b. ケインズの貯蓄とkは等しい
- c. 貯蓄=投資、そしてロス
- d. 投資要因と投資誘因、そしてロス
- 4. ケインズの投資と消費の定義
- a. ケイ ンズの定義式
- b. ケインズの定義式の意味
- c. ケインズの投資の意味
- d. 『資木論』の循環式
- e. 総資本の循環
- f. p(=w=g)→Iへ、 利潤あるいは剰余価値部分から投資へ
- g. 固定資本の償却と総資本の大きさ
第2章 消費性向
- 1. 剰余価値理論の見直し
- a. 前章で得たことの意味
- b. 剩余価値の定義についての検討
- c. 剰余価値理論の放棄?
- d. 前章の結論に対しての検討
- e. ケインズの定義式への確認
- 2. 在庫について
- 3. 消費性向
- a. ケインズの定義とこの論文の定義による消費性向
- b. 貯蓄と消費の歴史
- c. m*とp or g
- d. 消費性向の意味
- 4. 金融準備金と耐久財
- a. 貸し出しのない世界
- b. 積み立てとローン:金融機関の役割
- 5. 限界消費性向と乗数
- 6. ここまでの結論
第3章 投資誘因と利子、利子率
- 章の序
- 1. 期待
- 2. 長期期待の状態-株価と企業、あるいは株価と経済
- a. 小企業
- b. 上場企業
- c. マクロ的視点
- 3. 利子率
- a. 貸し手と借り手
- b. ケインズの利子率に関する理論
- c. ケインズの古典派の利子率理論に対する批判
- d. m*とpからの利子率
- e. 『資本論』からの利子率とシュムペータ一の利子率
第4章 投資の実現と経済の動向
- 1. 有効需要の原理
- a. 投資要因 k=m*+pと投資誘因p°or p*:投資市場
- b. 消費性向と投資
- c. 有効需要の原理とp°の動き
- d. 有効需要の原理とケインジァン・プロジェクトの見解
- 2. 完全雇用の付近
- a. 有効需要の原理が働く場合
- b. 完全雇用の付近
- c. バブル経済になる場合
- d. 輸出
- 3. 労働力に変化のないモデル
- a. 労働力が一定の条件
- b. 労働力が一定の原因
- 4. 価値の相対化
- a. 完全金融システム
- b. 投資要因と投資誘因の関係による価値の相対化
- c. 消費の拡大
- d. 生産性の向上によるインフレーション
- e. 賃金と他の剰余価値との分配
- f. 輸入
- g. 全体が生産性を向上させたモデル
- h. 尺度あるいは単位の価値の増大
- i. 貨幤量によるインフレーション、または、真性インフレーション
- 前巻を終えるにあたって
- 参考文献
- 2015年の結び