偲ぶ 宮﨑哲郎遺稿集
家族との和やかな思い出とともに
生涯を通して研究者としてあり続けた宮﨑哲郎(名古屋大学名誉教授)の遺稿集。論文集・追悼文集・写真集が妻の宮﨑德子により1冊にまとめられた、故人を偲ぶ愛蔵版。生前に手元で完成していた論文や学会誌への寄稿論文と、ゆかりの人々からの追悼文や追悼特集誌面も掲載。また写真集の章では様々な国の研究者との1枚や家族との和やかな思い出がフルカラーで綴られている。
著 | 宮﨑德子 |
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判型 | B5上製箔押し頁:102 |
ISBN | 978-4-910135-01-4 |
発行 | 2022年3月 |
定価 | 非売品 |
この度、宮﨑哲郎遺稿集の出版に当たって、多くの方々にお世話になり、お忙しい中玉稿を賜り、心より感謝申し上げます。
幸いなことに生前に夫は菰野町に移住をしてからの論文を整理し、まとめておりました。定年退職と同時に移住し、鈴鹿国定公園の山々や緑豊かな森や動物たち、特に県民の森をこよなく愛し、愛犬を連れて“わが庭園”と呼んで多彩な四季の移ろいを楽しんでおりました。
鈴鹿台の多くの隣人との交流を通しての水道問題と地方自治に対する意識から精力的な解決への活動、それらを通しての“水は人権である”という結論への信念は、今、毎日安心して蛇口から滴り流れる水へとつながっています。
緑あふれる森を背にベランダで、毎朝サイフォンコーヒーを楽しんでいた姿がついこの前であったことを思い出します。
自分のがんという病気を受け止め、最後まで、研究者として常に冷静に生き続けていたことを想い、愛と敬意をもって傍らに共に生きてこられましたことを幸せであったと感謝しております。この想いを大切にしながら、これからは一日一生という思いで過ごしたいと思います。
遺稿集をまとめるに当たり、多くの方々にお世話になりましたこと心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。
令和4年3月 宮﨑 德子
遺影
- 願わくば、菰野の郷(さと)の四季の懐(なか)長明のごと生きたしと、十と一年
父への偲い
- 葬儀にあたっての挨拶より
1章 弔電より
2章 追悼集
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- <日本放射線化学会『放射線化学』追悼ページによせて>
- 「宮﨑哲郎先生が切り拓いた原子トンネル反応の世界」
3章 写真集
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- (Ⅰ)一家の歩みと絆
- (Ⅱ)名古屋大学退官前の共同研究者訪問
- (Ⅲ)菰野町鈴鹿台自宅の四季
4章 論文集
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- 「自然の魅力とこれを守り、これに助けられた活動」
- 参考資料と掲載新聞記事
- 遺稿集出版にあたっての編集後記