乳がん自己チェックの始め方
―母へ娘へ―

乳がんの検診は2年に1度のマンモグラフィ検査を受けるだけでは十分とは言えません。確実に早期発見につなげるためには普段から自分の乳腺に注意を払い、規則的に正しい方法で自己チェックをしておく必要があります。
しかし、肝心のその方法がわからない。この書籍はそのマニュアルになります。チェックの方法だけではなく、そもそもなぜ自己チェックが必要なのか、どういうことに注意を払わなければならないのか、自己チェックに関する知識も詳しく解説しています。まずはご自身が理解し、正しく実践し、そして娘、母親、周囲の女性にも伝えてほしい。“全ての女性が手に取ってほしい”一冊です。
著 | 渡辺直樹 |
---|---|
判型 | 四六並製(付録付き)頁:112 |
ISBN | 978-4-910135-12-0 |
発行 | 2025年2月 |
定価 | 1,650円(本体1,500円+税)
在庫:○
|
本書は、乳腺の自己チェックの方法を具体的に解説するために書きました。
この本を出版するそもそものきっかけは、当院で乳がん検診を受けられた米国出身の女性との出会いでした。彼女と自己チェックの話になった際、彼女が通っていた高校では、乳腺の自己チェックを保健体育の授業で教えていた、と教えてくれたのです。当時彼女は60歳でした。米国ではおよそ40年前から乳がんの自己チェックを学校で教えていたのです。私は大変驚きました。
教師は医師ではないのですから、学校で教えるためには教えるノウハウ、指導書が存在していたはずです。もちろん研究もされており、どうしたら生徒が卒業して成人してからも、本当に乳がんが好発する40歳前後まで自己チェックを正しく継続してくれるか、教育方法の議論がなされ、定期的にブラッシュアップがなされていることでしょう。
私は乳がん診療に携わり20年以上になります。日本乳がん学会の専門医であり、専門医を育てる指導医でもあります。様々な学会にも参加してきました。しかし乳腺の自己チェックについて、指導法の講義はもちろん、その議論がなされているのに出会ったことはありません。正しい教え方はもちろん、何をどう教えたら皆さんにきちんと伝わるか、専門医の私が教育を受けておらず、確信がないのです。
私はもともと地域の基幹病院で乳腺外科の診療部長をしておりました。現在は第一線を離れ、クリニックで検診を担当し、5年が経過しています。この期間の全てをかけて、自分なりに乳腺の自己チェックについて、どう指導すればわかってもらえるか、そして継続してもらえるか、試行錯誤を繰り返してきました。そして現在一つの指導方法を見つけ、その確立した流れに沿って来院者に説明しています。
そしてわかりやすかった、初めて説明を聞いた、と喜んでいただく日常の中で、娘にも教えてやりたい、母にもしてもらいたい、家族に伝えたい、という希望から、ぜひ成書にして発刊して欲しいという要望を多く受けてきました。ここにそれをお届けできることを嬉しく思います。
できるだけ簡潔に、覚えやすく、まとめたつもりです。それでは始めましょう。
- はじめに
- 導入(プロローグ)
- 実際に触ってみましょう
- 自己チェックのタイミング
- このビー玉を・・・
- さいごに
- 乳がんって触ったらわかるの?
- 乳がんって痛みとか違和感とかはないのですか?
- マンモグラフィ検診を受けていても自己チェックは必要ですか?
- もししこりに気づいたらどうすればいいですか?
装丁
付属ビー玉ケース
自己チェック用の1.7cmのビー玉が2つ入った付属ケースが本と一緒についてきます。※ビー玉の色は5色からランダムになります。



